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2022年12月27日
ブルマが牛魔王にもらった車をblenderで作った話
気づけば目的もなく3DCG(blender)の初歩学習を1週間やってた。何年か前に、てんとう虫を作るチュートリアルをやって5分でやめた記憶がある。
そろそろチュートリアルより好きなものをじっくりと作った方が飽きないのではないかと思うも特にない。3Dやってる人が作りがちなものといえば車、ガンダム、SFのメカ、漫画やアニメのキャラクター、自分の部屋、おしゃれなカフェの店内、サイバーシティなどがある。たまに目にすると、凄いなあと思いつつ自分も作りたいとは全く思わない。何一つ興味ない。今まで3Dをやってこなかったことが、ないことを堅く裏付けている。
あれこれ考えて捻り出した結果「ドラゴンボールの序盤でブルマが牛魔王からもらう車(長いので以降ブル車と略します。ブルは牛の意味もあるから丁度いいですね)」を作ることにした。子供の頃、車に興味ないのにあの車は欲しかった。あれに乗って冒険の旅に出たかった。すっかり忘れてて、ヤムチャの車と勘違いしてたけど。
検索してみるとシェイプが単純だしフィギュア化されていて参考画像が豊富なのも好都合だ。
初日
まずボディーを作る。
全くカッコよさがないので不安になる。ここがいきなり分水嶺だな、引き返すなら今だ、と思案しながら適当にパーツをつける。
やめといた方が良さそうだ。
3日目
少し様になってきた気もするが、なんか違うなあと、ここで漫画を参照する。全体の丸みが足りなかったのでボディーをやり直す。
ついでに漫画を読むとブルマ一行はブル車を貰う前はフィアットに乗ってた。旧車のフィアットの後部やパーツがよく似ているので、以後はフィアットや同年代のポルシェなどの画像も参考にした。
あと牛魔王の体では絶対ブル車に乗れない。
やはり原典にあたるのが大事だ。
7日目
ボディに納得いったのでエンジンがかかって来て、一気に後部や内装など細部を進める。この車は前部が一番簡単だった。
8日目
モデリングは完成した。
色をつける。
エンジン周りの手際が悪く、無骨感が出てむしろいい。剛腕の板金工といった趣。
こうして見るとザクのようなカッコよさと、ふなっしーのような可愛さが共存してるように感じる。
9日目
「寿」を貼る。
これが意外に難しかったが、寿あらずはブル車にあらずと何とか貼った。
金田のバイクよろしくステッカーもベタベタ貼ろうと思ってたけど寿で力尽きた。
一見これで完成したようだがまだまだ先は長い。
10日目
ピカピカの新車を原作のくたびれた感じにしたいので汚しを加える。ウェザリングというらしい。プラモデルなどやったことがなく、モデリングとは違う工程なので技術的にもセンス的にも足踏みした。
約2週間、結構な勢いで進めてきたので、大詰めでのウェザリングに疲弊して、しばらく休む。
なにこれこわい。
14日目
そして‥‥‥で、でけた!一瞬ででけた。おいアラレ!ちょっとこれ見てみろ!
汚しをやり過ぎなのか加減が分からない。当初のイメージではもっとやるつもりだった。誰かに怒られるんじゃないかと思うぐらいに汚したが、反省して控えめにしておいた。
シルバーのパーツも錆びさせたりしたが全体の印象がぼやけたのでほぼ触らず。
フィギュアは造形が甘かったので途中から無視して、漫画のみを参考にした。イメージしてた通りに出来た。お手元にドラゴンボール2巻をお持ちの方は是非見比べてみて頂きたい。
登場時のコマでは車の造形を紹介する意図からか、平行投影気味に描かれてるので、それに近づけると下のような感じ。もう完全に一致。
ただの目分量で作っただけで、そのコマの絵に画角を合わせて確認つつ作ったわけでもないのに試しにやったら一致してた。
鳥山明の頭の中に完全な3Dモデルがあることを伺い知ることができる。
15日目
シートを作り直す。ポリゴンなんか多けりゃ多い程綺麗になると思ってたけど、曲面を綺麗に出すには少ない方がいいそうだ。それがどういう理屈なのかはわからない。
16日目
今まで背景は設定の方法を知らなかったので、ただの壁で確認してきた。スタジオ内の人工的な照明で確認してたようなもんだ。折角の記念撮影はやっぱ屋外でしたいすねえ、と適当なフィールドを設置する。
そしてブル車を配置してと、ファッ!?
これもうスターウォーズやん! スターウォーズで見たやつ! スターウォーズって作れるんだな。ワイ、スターウォーズ作るわ!
※ドラゴンボールはどこ行ったよ
22日目
当初アニメーションまでやるつもりはなかったが、屋外撮影で盛り上がると共に、静止画では物足りなくなり、一丁派手にぶっ放して終わらせようぜ、と動画を作る。フィールドに引いたパスに沿って走るようにした。幸いタイヤがない分簡単だ。
オーケー! カマンベイベー! レッゴー、ブルシャー! プリーズギミーザ、ロッゲンローーーqあwせdrftgyふじこ
大きなフィールドを作ったのに、車が速く走るという動画なのであっという間に駆け抜けてしまった。時速300キロぐらい。
後から編集で一部をスローにしたりストップさせたりしたが小細工はしない方が良かったのでそのまま。もう少し色々やりたかったがキリがない。blenderを始めてから約1ヶ月という節目なのでこれをもって完成としたい。
わずか10秒の拙い動画だが作っていて「あ、ワイやれる、そのうちスターウォーズやれてまう」という手応えがあった。
モデリングより、動画を作る方が面白い。モデリングのみだと、どこか虚しさが付きまとうが最終的に動画にする目的で作れば続けられそうだ。
これはもうスターウォーズするしかないんじゃないか。
やるからにはジョージルーカスに褒めてもらえるぐらいのものを作りたいわけで、どれぐらい時間がかかるか見当がつかない。
※ルーカスじゃなくて鳥山先生な
総括
3DCG初心者がblenderをインストールしてから毎日休まず(休んだけど)平均4時間の制作を1ヶ月続けた結果こんなものが出来た。機材は普段使ってるM1 MacBook Airのみ。マウスは使わず。動画のレンダリングはGoogle colabを使った。
もっとハイスペックなパソコンがあれば数日は早く完成したと思う。
当初じっくりやろうというつもりが、1ヶ月でどこまで出来るかというチャレンジ企画がにわかに始まってしまい、急かされるように睡眠不足になりながらやっていた。
なんとなく選んだ「ブルマが牛魔王からもらった車」は初心者にとっていい題材だった。
※鳥山先生ありがとうございました
投稿者 Fushida : 2022年12月27日 01:29